カナディアンロッキーの北側にあるジャスパーは、静かな雰囲気と雄大な自然が魅力の町です。私たちはここに2泊滞在し、その中日の一日を観光にあてました。午前はマリーン湖でクルーズを楽しみ、午後はピラミッド湖を訪れ、食事は町のレストランでいただきました。
ただ、2024年の山火事の爪痕は大きく、本来なら緑の森が広がっているはずエリアの中には、焼け野原のように黒い木々が立ち並んでいる場所もありました。美しい湖や山々の景色に感動しつつも、自然の厳しさと再生の力強さを同時に感じる場面でもありました。
今回の旅は専用車とガイド付きのプライベートツアー。野鳥の巣や湖の色の変化、スピリットアイランドのベスト撮影スポットなど、自分たちだけでは気づけないことを教えてもらいながら、充実した一日を過ごしました。その日の様子を旅行記としてまとめていきます。2025年7月の旅です。

- 【午前】マリーン湖クルーズ|ジャスパー観光で外せない絶景スポット
- ランチはジャスパーの人気レストラン: マッドグリズリー
- 【午後】ピラミッド湖&パトリシア湖|ジャスパーの絶景と癒しスポットを満喫
- 夕食もジャスパーの町で韓国料理のキムチハウスへ
- 人気のパン屋さん: Bear's Paw Bakery
- ジャスパーの山火事の影響
- 関連リンク
【午前】マリーン湖クルーズ|ジャスパー観光で外せない絶景スポット
朝9時に宿泊しているジャスパー・パーク・ロッジにガイドさんに迎えに来てもらって、ジャスパーの一日がスタートしました。この日は予約してあったマリーン湖の10:15発のクルーズ船に乗ります。
マリーン湖とは
マリーン湖は全長22kmで、カナディアンロッキー随一の大きさを誇る氷河湖。雪解け水をたたえた湖面は日差しや時間によって色合いを変え、深い森と山々に抱かれるように広がっています。
湖に浮かぶ小さな島「スピリットアイランド」は、写真やポスターで世界的に知られるカナディアンロッキーの象徴的な景観です。その名は、先住民族ストーニー族の伝承に由来し、かつて若い男女が一族に許されぬ恋をし、この島で密かに会っていたという物語から「精霊の島」と呼ばれるようになったと伝えられています。神聖な場所として長く大切にされてきたため、上陸できるのはごく限られた範囲だけで、島自体に足を踏み入れることは許されていません。
マリーン湖に向かう途中で鷲の巣と母子を目撃
マリーン湖に向かう途中にあるメディスン湖で写真ストップです。なぜなら、この先にある木の上に白頭鷲の巣があるのです。

ズームすると、巣には2羽の幼鳥がいるのが見えます。厳しい自然界では、2羽同時に育つのはなかなか難しく、たいていは強い方が弱いひなを蹴落としてしまうようですが、今回は2羽とも大きくなっているようです。

もう少し車を進めてもらい、より巣に近い所からも観察しました。1羽はどこかに飛び立ちましたが、お母さんが近くにいました。飛行訓練中なのかもしれません。

場所はこちらです。
何か歩いてくる
白頭鷲観察ポイントから出発しようとしたら、道路の向こうから鹿?ヤギ?の家族が歩いてきました。

にらまれたような気がします。

子供たちを動画で撮ってみました。
クルーズ船に乗船
道路の混雑はなく乗船の20分くらい前には到着。まずはレストハウスでトイレを済ませます。

乗船の列に並びます。私達はガイドさん含めて5人で予約してありまして、係の人がグループの名前を呼んで並ばせます。

船は後方の座席を確保するのが良い
船は出入り口が後方にあります。なるべく後ろの席を確保することをおススメします。なぜなら、出発してしばらくすると、船後方のデッキに出ても良いよ、という合図があります。いち早くデッキに出られるのは後方の席です。またスピリッツアイランドの桟橋についた時にも、後方から出入りするので、後方の座席の方が早く外に出られ、島を楽しめる時間も前方の席の人よりも確保しやすいです。船内は以下の写真の通りで、スピードが上がると前方が持ち上がり、前方の景色が楽しめる、というわけではないので、後方の席をおススメします。

乗船時間は片道30分くらいです。クルーズ船はスピードを出したり緩めたりしながら進むので、状況によって乗船時間は多少前後します。近くにカヌーなどを楽しむ人がいる場合は、大きな波を立てないようにゆっくりと進みます。

氷河の水が湖に注がれる地点まで来ると、湖の色が乗船場付近の色とは異なることに気づきます。氷河から流れ出る水に含まれている成分の影響のようです。
スピリットアイランド
30分ほどでスピリットアイランドの桟橋に到着します。私達は一番後ろの席に座っていたので、いの一番に外に飛び出しました。帰りは乗ってきた船に乗って戻ります。自由時間は20分程度です。
出発時刻が15分くらいずつの間隔でクルーズ船が出ているので、桟橋には先着の船もいますし、私達の後から来る船もあります。帰りの船を間違えないようにしましょう。

桟橋から陸に渡ったら、遊歩道に沿って、まずは展望台に向かいます。先に湖沿いを歩いても良いのですが、眺めが良いのは、上にある展望台なので、先に坂を上がって行きましょう。
こちらが展望台からの眺めです。湖の中の小さな島がスピリットアイランドです。スピリットアイランドそのものは立ち入りができないので、展望台や湖畔から眺めるだけですが、素晴らしい景色です。マリーン湖のポスターなどにこの景色が搭乗しますが、この景色はクルーズ船に乗らないと見られない景色なんですね。

遊歩道に沿って歩くと、湖畔に下りる階段があります。

湖畔からのスピリットアイランド。上の展望台の方が遠くの山まで見えて、絵葉書のようでした。

私達の一つ前の船が戻って行くのが見えました。

桟橋に戻ると、次の船が到着するところでした。

桟橋のところに簡易トイレがあります。私達は乗船前にレストハウスで寄ってきたので、こちらのトイレは使用しませんでした。
ランチはジャスパーの人気レストラン: マッドグリズリー
クルーズを終えてジャスパーの町に戻り、ランチタイムです。ジャスパーの町中はレストランもたくさんありました。私達が行ったのは人気のお店の一つ、マッドグリズリーです。予約せずに行ったら運良く入れました。私達が入店したのは13:30くらいでしたが、メニューを見たら朝食メニューが14時までとのこと。どれも美味しそうだったので、朝食メニューからチョイスしました。

私はワッフルタワーが美味しそうだったので注文。17.9カナダドル(税・チップ別)。見た目も良いし、味も大変良くて、人気のレストランなのもうなづけました。

場所はこちらです。
予約した方が無難です。公式サイトはこちらです。
【午後】ピラミッド湖&パトリシア湖|ジャスパーの絶景と癒しスポットを満喫
ランチの後はピラミッドレイクへ。本当はファイブ・レイクスのトレイルをハイキングしたかったのですが、2024年秋の山火事でトレイル内の橋が焼けてしまい、トレイル自体がクローズになっていました。なのでガイドさんに別の湖に連れて行ってもらいました。それがピラミッド湖です。
ピラミッド湖は、ジャスパーの町から車でわずか10分ほどの場所にある静かな湖で、背後にそびえる標高2,763mのピラミッド山を映す姿が美しいことで知られています。湖の中央には小さな島があり、橋を渡って気軽にアクセスできるのも魅力のひとつ。散策路を歩いたり、カヌーに乗ったりと、思い思いに過ごせる憩いのスポットです。

マリーン湖のような雄大さとは違い、落ち着いた雰囲気の中でのんびりできるのがこの湖の魅力。観光で動き回った合間に立ち寄ると、心がすっと静まるような時間を過ごせます。夕暮れ時には湖面に映るピラミッド山が赤く染まり、訪れる人を魅了します。

近くにはパトリシア湖という湖もあります。

ジャスパーの町から行くと、手前にパトリシア湖、奥にピラミッド湖があります。大型の観光バスだと奥まで入ることができません。プライベートツアーのミニバンだからこそピラミッド湖まで行けました。
夕食もジャスパーの町で韓国料理のキムチハウスへ
午後はのハイキングの後は一旦ホテルに送ってもらい、しばし休憩。その後、ホテルのシャトルバスでジャスパーの町へ向かい、ガイドさんとの待ち合わせポイントでガイドさんと会い、予約していた韓国料理のレストラン、キムチハウスへ。

店内に貼ってあったメニューです。

ビビンバなどを注文(24カナダドルくらい)。味は美味しかったし、お値段もホテルのレストランで食べるよりは安いです。カナダについてからずっと洋食だったので、食事のテイストを変えることがとても良かったです。

レストランのサイトはこちらです。
人気のパン屋さん: Bear's Paw Bakery
ハイキングの途中で食べるランチを仕入れるのなら、人気のパン屋さんが超おススメです。朝6時から営業しているのもありがたい。

店内は行列しています。

サンドイッチや少し甘いパンなど種類はとても豊富です。本日のスープを注文して、朝ご飯を食べている人たちもいました。


私達はジャスパーを発って、レイクルイーズに向かう日の朝、こちらでランチを買いました。
ジャスパーの山火事の影響
ジャスパーはカナディアンロッキーの中でも行きたかった場所の一つでしたが、旅の計画を始めた2024年の夏、ジャスパーの町とその周辺は大規模な山火事に襲われました。火災は6月に発生し、乾燥した気候と強風にあおられて急速に拡大。ジャスパー国立公園内では約30,000ヘクタールが焼失し、かつては緑豊かな針葉樹林が広がっていた場所が、今も炭化した木々の立ち並ぶ姿へと変わってしまいました。
私達もジャスパーの観光をする時に、何度も焼け焦げた森を目にしました。こちらの写真はマリーン湖に向かう道路の途中にある展望台からの景色です。一面焼け焦げています。

こちらも道路の左側の森は焼けてしまっていました。

町にも被害が及び、多くの住民が避難を余儀なくされました。中心部では焼失した建物が解体されて更地になっている場所や、仮設住宅が建ち並ぶ光景も見られます。

こちらは仮設住宅。

カナダ政府によると、完全な復旧には時間を要するものの、再建や森林再生の取り組みが進められています。(以下のリンク先の写真は私達が宿泊したジャスパー・パーク・ロッジの湖です。岸の向こう側にホテルの建物があります)
私たちが訪れたときも、旅の道中でその被害の痕跡を目にしました。美しい自然に心打たれる一方で、自然災害の厳しさと、そこから立ち上がろうとする地域の強さを感じる体験となりました。これからジャスパーを訪れる方には、景色を楽しむだけでなく、そうした背景にも思いを馳せながら過ごしていただければと思います。
関連リンク
カナディアンロッキーの観光記
バンフでの観光記録
バンフからジャスパーに向かうアイスフィールド・パークウェイの見どころ
バンフからジャスパーまでの移動中にもたくさんの見どころがあります。
カナディアンロッキーの宿泊記
ジャスパーでの宿泊はジャスパー・パーク・ロッジ
今回の旅ではカナディアンロッキーにあるフェアモントホテルに滞在しています。ジャスパーではジャスパー・パーク・ロッジに2泊しています。
バンフではバンフスプリングスホテル
バンフでは森に佇む石の城のようなバンフ・スプリングス・ホテルに滞在しました。バンフ・スプリングス・ホテルの宿泊記はこちらです。