鉄道と自転車でプチ冒険に出よう

主に鉄道で行く温泉を楽しみ、旅の記念にマンホールの捕獲を楽しんでいます。宿の宿泊記やマンホールカードを紹介しています。

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青森と秋田の県境にある日景温泉で硫黄泉と二酸化炭素泉を貸し切りで楽しむ

日景温泉の名前を知ったのはつい最近のこと。2020年12月発行の「ひとり泊歓迎の温泉宿」という雑誌で見かけて知りました。紹介されている白濁の湯に思わず目が釘付け。これは行かねば、と思ったわけです。日景温泉は青森県と秋田県の県境の矢立峠付近にある一軒宿です。静岡県からはかなり距離があるのですが、JR東日本の「お先にトクだ値スペシャル」のおかげで、青森も秋田も普段の半額で行けるとなればハードルも下がるというもの。ちょうど乳頭温泉鶴の湯別館「山の宿」の予約が取れていたので、乳頭温泉に泊まった翌日に日景温泉に泊まるプランで行ってきました。テレビの電波が届かないという宿ですが、奥羽本線の最寄り駅からは無料送迎で15分程度と案外アクセスは良いのです。温泉もお食事も満足できる宿でした。

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お部屋

一人旅歓迎の雑誌の冒頭に登場するだけあって、一人旅用のお部屋は広さも十分で快適です。電波が届かないのでテレビはないし、携帯もアンテナが立たない時もありますが、館内はWifi完備なので、ネット環境は不自由しません。

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快適なシングルルーム

 洗面台とトイレも部屋の中にあります。 

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洗面台・トイレ付

都度沸かすタイプの電気ポットがあります。室内には緑茶とほうじ茶のティーバッグがあります。

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電気ポットにお茶のティーバッグ

しかも冷蔵庫内の飲み物は無料なんですよ。2リットル入りの水もありますが、さすがにこれは開けませんでした(笑)。

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冷蔵庫内の飲み物は無料

ラウンジにコーヒーや紅茶、ハーブティーのティーバッグが用意されていてフリードリンクなのもありがたいです。しかも24時間いつでも飲めます。

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ラウンジのドリンクも無料

ラウンジにはアイスも用意されていて、湯上りに一本いただきました。

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アイスも無料

温泉

温泉は露天風呂付の大浴場が男女別に一か所ずつ。このほかに予約式の貸切風呂が4か所あります。深夜時間帯は入れませんが、深夜は私も入浴しないので影響はないです。

大浴場

日帰り入浴を実施していることもあり、湯船は広く、普通の湯船の隣には寝湯用の浅い湯船もありました。チェックイン時間には日帰り入浴も終了するので、独泉で楽しめました。

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白濁の湯が満たされた大浴場

内湯からそのままドアをあけて露天風呂にも行けます。壁で囲まれていて眺望はいまいちで、真っ赤なカラーコーンとかも置いてあって、ちょっと雰囲気ないかも。

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露天風呂

大浴場には日景の湯1号と3号の源泉が使用されています。含硫黄(硫化水素型)-ナトリウム-塩化物泉という泉質のにごり湯です。宿の中にはぷ~んと硫黄の匂いがしているほどの硫黄泉です。溶存物質が6,764mg/Lとかなり濃い温泉。源泉の温度が低いので、加温はされているようです。温泉分析表を見ると、カリウムイオンが多いことに気づきました。カリウムイオンの欄が3桁の分析表は今まで見かけた記憶がありません。

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大浴場の源泉の成分表

内湯の貸し切り湯

到着した日は内湯の貸し切り湯にまず入りました。内湯の貸切風呂は2か所あります。

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内湯の貸切風呂は2か所

昔はここが大浴場だったのかも。脱衣所に籠は2つしかないですが、スペースとしては5人分くらいの広さがありました。

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貸し切り湯の脱衣所

湯船は4人はいったらいっぱいくらいの大きさですが、1人での貸し切り湯なので広々使わせていただきました。源泉もドバドバかけ流されていて幸せ。大浴場と同じ源泉が使用されていました。

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貸し切りの内湯

貸し切りの眺望風呂では二酸化炭素泉を楽しめる

翌朝は貸し切りの眺望風呂で雪見温泉を楽しみました。こちらも2か所あります。つまり貸し切り湯としては4か所あるので、予約制と言っても、希望の時間帯に入れないということはなさそうです。露天風呂は建物の外にあります。外履きに履き替えますが、屋根がついているので雨でも傘なしで行けます。

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貸し切りの露天風呂に向かう

こちらは脱衣所のスペースが小さくて、いかにも貸切という感じ。浴室へのドアをあけるとこんな景色が。屋根がついているので雨や雪でも気にせず入れます。

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眺望風呂

今回の旅は雪見風呂を楽しみたいと思っていたので、かなり満足です。

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雪見風呂を楽しめました

こちらのお湯はかなり熱くて、熱すぎる場合は水でうめて入る方式でした。泉質も大浴場や貸切の内湯とは異なる泉質なんです。

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お湯の温度はやや高め

泉質は含硫黄(硫化水素型)・二酸化炭素-ナトリウム-塩化物泉で、日本では珍しい二酸化炭素が含まれた温泉です。ただ泉温が高いので、肌にびっしり泡が付くというようなことはありません。溶存物質は大浴場の源泉よりさらに多く、18,950mg/L。成分表には明記されていませんでしたが、これはもう高張性の温泉の領域ではないでしょうか。塩分が多くてなめるとちょっとしょっぱく感じました。

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眺望風呂の温泉分析表

さらに貸し切り湯が増える

ラウンジには新たな貸し切り湯を準備中という案内もありました。滝見風呂になるようです。楽しみです。

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滝見風呂が今後できる予定とのこと

お食事

温泉宿の楽しみの一つのお食事です。熱いものがホントに熱々で提供され、味も美味しくとても良かったです。食事は完全な個室でいただきます。

夕食

まずはお品書き。前菜からデザートまで6品ですが、献立外でお造りが出ました。この土地らしい献立でどれも美味しくて、お腹もいっぱいになりました。

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夕食のお品書き

前菜は最初からテーブルに用意されていました。比内地鶏の茶碗蒸しは「蒸し物」ではなく前菜の一部なんですね。

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前菜

お造りは青森県の北の果て、大間のマグロです。

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大間のマグロ

椀物はお澄ましが提供されることが多いですが、こちらでは雪下ニンジンのすり流しというメニュー。なかなかオリジナリティがあります。

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椀物

揚げ物は稚鮎のから揚げでしたが、盛り付けが洒落ていて、川を泳ぐ鮎を表現しているとのこと。鮎も熱々でした。

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川を泳ぐ鮎を表現した一品

メインは秋田産牛を卓上で蒸していただきます。

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強肴

お食事は秋田名物きりたんぽでの提供です。こちらも熱々で美味しかったです。 

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きりたんぽ

朝食

朝食も夕食と同じ個室でいただきました。テーブルにはズラリとお料理が並んでいます。

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朝食

ご飯は普通に炊いたご飯かお粥が選べるのですが、ハーフハーフもできますとのことだったので、ハーフハーフをいただいたら、量はほぼフルフルでした。食べちゃったけど(笑)。

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お粥とごはんのハーフハーフ

朝食にはスムージーもつきます。なんだか体が内側から健康なる感じがします。

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朝食にスムージー

ロケーションとアクセス

宿は奥州街道の青森県と秋田県の県境にある矢立峠近くにあります。テレビの電波が届かないのでテレビはありません、というのでどんな山奥かと思いましたが、奥羽本線の最寄り駅から送迎車で15分程度とアクセスは悪くありません。

国道7号線から日景温泉への山道に入るとグッと秘湯感が増してきました。

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日景温泉に向かう道

最寄り駅は各駅停車なら陣馬駅、特急利用なら碇ヶ関(いかりがせき)駅です。

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碇ヶ関駅と特急「つがる」

宿周辺に飲食店やコンビニ、商店などは一切ありません。なのでとても静かに過ごせます。雪がなければ、川沿いに遡って歩くのも気持ちよさそうでしたが、今回は断念。

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宿の周辺

入り口の看板には遊歩道マップが紹介されていました。

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宿近くの遊歩道マップ

おススメ旅プラン

東京からだと移動距離が長い宿です。なので1泊2日で往復する旅は少々もったいないので、乳頭温泉や酸ヶ湯温泉辺りに前後泊して回ったり、五能線の絶景鉄道旅の前後に泊まるのが良いと思います。

私は1泊目を乳頭温泉鶴の湯別館「山の宿」に泊まり、2日目を日景温泉に宿泊する周遊ルートで回りました。「山の宿」は鶴の湯の系列なので、お湯良し食事良しで一人旅の受け入れOKの宿です。

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鶴の湯別館「山の宿」

www.tsurunoyu.com

2日目は田沢湖駅から秋田新幹線で秋田駅に出て、秋田駅から特急つがるで碇ヶ関駅に行くルートにしました。 

チェックアウトした後は、碇ヶ関から新青森駅まで再び特急「つがる」で移動し、新青森駅からは「はやぶさ」で帰ってきました。

このルートでは晴れていれば岩木山がきれいに見えます。私が乗車した日は霞んでいてその雄姿はぼんやりしていました。

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新青森へ向かう特急「つがる」からの車窓

この辺りを雪見鉄していると、畑の中にたくさんの白鳥がいるのを何度も目にします。白鳥は湖にいるものとばかり思っていたので、初めて畑毛に白鳥の群れを見た時には驚きました。

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畑に白鳥の群れ

絶景路線の五能線を楽しむのなら、濃い温泉が楽しめる不老不死温泉との組み合わせが良いと思います。

www.furofushi.com

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五能線からの車窓

www.jreast.co.jp

まとめ

1893年に地元の名士、日景弁吉氏により開湯された歴史ある温泉です。犬養毅も訪れたことがあるようです。こちらの温泉は皮膚病やアトピーに効果があるとされていて、今でも皮膚科の石が日景温泉を勧めることもあるのだとか。 以前の経営者がいったんは宿を閉めたのですが、別の経営者が買い取って建物などを改装し、2017年に開業したのが今の温泉宿です。外観には古さを感じるものの、改装のおかげで室内は快適。テレビはなくてもWifi完備でネット環境は良いです。山間の一軒宿なので静かに過ごしたい人には良い宿と思います。スタッフの手も足りている感じですし、サービスも良く、お料理が期待以上に美味しくて良かったです。温泉も溶存物質豊富な硫黄泉だし、塩分が強いので冷めづらいように思いました。東北旅行の際には是非訪ねてみて下さい。

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