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主に鉄道で行く温泉を楽しみ、旅の記念にマンホールの捕獲を楽しんでいます。宿の宿泊記やマンホールカードを紹介しています。

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会津若松の名旅館「向瀧」に再訪 雪見ろうそくとお湯と会津のご馳走を楽しむ冬の1人旅

会津若松の東山温泉にある「向瀧」には、半年前の8月に泊まったばかりですが、とても素晴らしい宿で是非また泊まりたい、できれば次は「向瀧」の冬の風物詩の雪見ろうそくを楽しみたいと思っていました。ということで再訪したのです。ここ数年は雪が少なく、昨シーズンは一度も雪見ろうそくができなかったそうですが、今年は大雪となり、素晴らしい雪見ろうそくを楽しめました。お湯も食事もおもてなしも相変わらず素晴らしい宿でした。

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今回は「雪の間」に宿泊

向瀧には24の客室があり、そのすべてが間取りや設えが異なります。前回は中庭に面した「百合の間」に泊まりましたが、今回は違う部屋に泊まってみたいと思い「雪の間」に泊まりました。 本間10畳のお部屋で、冬場は炬燵が用意されています。下の写真には写っていませんが、テレビもあります。

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「雪」のお部屋

部屋は3階にあるので窓からの眺めは御覧の通り、中庭を上から見下ろす位置です。立派な屋根がつらなっていて、さすが有形文化財の宿。前回は赤い丸の位置にある「百合の間」でした。

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「雪の間」からの眺め

ちなみに前回泊まった「百合の間」からの眺めはこちら。赤丸の中が今回泊まった「雪の間」です。

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「百合の間」からの眺め

本間以外には2畳の踏み込みがあり、姿見の用意がありました。

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踏み込み

部屋には洗面台とトイレがついていて、こちらの部屋は洗面スペースが広いのも特徴です。ただ冬場は洗面所とトイレはものすごく寒いです。オイルヒーターみたいな暖房があると火事の心配もなく、ほのかに暖かくなって良いと思いました。

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雪の間の水回り

「雪の間」は斜面に沿った木造建築の3階にあります。エレベーターはなく、歴史ある建物なので、階段も急です。足に自信がない方は、避けた方が良さそうです。

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「雪の間」に向かう階段はかなり急傾斜

向瀧の冬の風物詩「雪見ろうそく」

雪見ろうそくは「向瀧」の冬の風物詩です。雪が積もった中庭に110本ほどの竹筒を立て、その中にろうそくをともします。雪が降っていると、竹筒にも雪がつもるので、毎日手作業で積もった雪を取り除き準備します。だいたい夕方4時半頃に点火します。

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雪見ろうそく隊による準備作業

雪見ろうそく隊のおかげで、すばらしい眺めを楽しめました。ホント、きれい。 

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雪見ろうそくが灯った中庭

途中消えてしまうろうそくもあるので、雪見ろうそく隊が再点火します。

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ろうそくのメンテナンスを行う雪見ろうそく隊

この日はこの冬一番の豪雪となり、翌朝は竹筒の上にこんもり雪が積もっていました。

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大雪で竹筒の上にも雪が積もった翌朝

雪見ろうそくは中庭に雪がないとできません。日々、館主の平田さんがツイッターで状況をupされています。平田さんは夜には雪見ろうそくを楽しめる廊下に出向いてくださり、照明を落とした廊下でも人物の顔にライトを当てながら、雪見ろうそくをバックに写真を撮って下さるサービスぶりでした。

 

部屋食で楽しむ会津郷土料理

「向瀧」のお食事は夕食・朝食ともに部屋食です。会津の食材や伝統料理を楽しむことができます。

夕食

まずはお品書き。夏に泊まった時と、少しメニューが異なりますが、名物の鯉の甘煮やにしんのさんしょう漬け、こづゆは定番メニューです。

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夕食の献立

ちなみに前回宿泊した時のお品書きはこちら。

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夏に泊まった時の献立

では冬の献立のお料理をご紹介します。最初に用意されるのは、先付や前菜、強肴など。食前酒は甘酒でした。右下の強肴はニシンの山椒漬けで私はこれが大好きです。

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夕食

箸置きは今回もギョロ目がかわいいかじか。お口に爪楊枝が入っています。

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カジカの箸置き

私はお酒を飲まないので、食事のドリンクにはリンゴジュースをお願いしました。前回は紅玉を飲みましたが、今回は種類を変えて、ジョナゴールドをリクエストしました。ちなみに前回紅玉を飲んだかどうか、私はうろ覚えでしたが、係の人が「前回は紅玉を召し上がりました」と教えてくれました。

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リンゴジュース

 「向瀧」の名物料理は鯉料理。鯉のたたきと鯉の甘煮は向瀧の定番メニューです。

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向瀧は鯉料理が名物

鍋物は会津の地鶏のお鍋でした。

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鍋物

お凌ぎは「ごんぼ湯」という向瀧の創作料理だそうで、ごぼうを揚げたものを味噌風味のたれにつけていただきます。サクサクした食感で、ごぼうと聞くと、体にも良さそう。

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ごんぼ湯

会津の郷土料理のこづゆと姫ステーキは前回もいただきました。

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こづゆと姫ステーキ

揚げ物と一緒に会津こしひかりのご飯をいただきます。ご飯はおひつで持ってきてくれます。美味しくてもっと食べたかったけれど、これだけお料理が出てくるとさすがにお腹いっぱいです。

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揚げ物とお食事

 最後にデザートをいただいて夕食はおしまいです。今回もどのお料理も美味しくて大満足です。向瀧のお部屋には緑茶の用意がありますが、食事の時にはほうじ茶を持ってきてくれます。食事が終わるとほどなくして、番頭さんがお布団を敷きに来てくれます。

朝食

朝食もお部屋でいただきます。私は8時にお願いしました。その30分くらい前に番頭さんがお布団を上げにきます。朝食にもお品書きがあります。右側のお鍋はなめこのお味噌汁、左の炎がついているのは、紅鱒のせいろ蒸しです。

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朝食

部屋食は熱々が食べられないのが懸念点ですが、こうして火をいれるスタイルなら、熱々をいただけます。向瀧のお味噌汁はとても美味。残さずいただきました。

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みそ汁とせいろ蒸し

朝食の時もご飯はおひつで提供。今回はおかわりしました。

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会津さんコシヒカリがつやつやしています

いつでも入れる源泉かけ流しの温泉

向瀧のお風呂には、自家源泉のお湯が常にかけ流されていて、夜中でも入れます。温泉は前回の宿泊記でも紹介しているので、簡単に。

きつね湯

向瀧はかつて会津藩の保養施設だったのですが、その当時から人々を温めてきたのがが「きつね湯」というお風呂。嬉しいことに男女別にあります。

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歴史ある「きつね湯」

湯口周辺に析出した成分が歴史を語っています。シャンプーやボディソープが置いてありますが、カランやシャワーはないので、こちらのお風呂では体を洗うよりはじっとつかって温まるのが良いでしょう。45度というかなり熱めの温度設定ですが、じっとお湯につかると、じーんと温泉成分が体にしみてくるような気持になります。

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熱めのきつね湯

さるの湯

体を洗うのなら、ややぬるめに温度設定されている「さるの湯」がおススメ。こちらにはカランとシャワーがあります。脱衣所にはドライヤーもありました。

無料の貸し切り湯が私のお気に入り

「向瀧」には3つの無料の貸し切り湯があります。「鈴の湯」「蔦の湯」「瓢の湯」という名前があり、いずれも湯船は小さくて2人で入るときつきつサイズですが、一人旅ならのんびり入れます。カランもシャワーもない温まるだけの浴室ですが、私はこの貸し切り湯が大好きで、滞在中何度も入りました。特に冬は体が冷えてくるとその都度貸し切り湯に行ってました。

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階段を下りて貸し切り湯へ

こちらは「瓢の湯」。天井にはそのお風呂に関するレリーフがあります。

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「瓢の湯」

貸し切り湯も湯口には温泉成分がびっしりとついています。

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「瓢の湯」

泉質

「きつね湯」も「さるの湯」も3つの貸し切り湯も注がれるお湯は同じ自家源泉のお湯です。泉質はナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物泉です。pHは7.7で弱アルカリ性です。新鮮な温泉が滔々と湯船に供給され、お湯の新鮮さを感じられるお湯です。もちろん加温・加水・ろ過・消毒なしの源泉かけ流し。湯量に応じた湯船が用意されていて、いつ入っても浴室が整えられていて、とても温泉を大事にされていると感じます。

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温泉分析書

アクセス

今回も会津若松駅からは「まちなか周遊バス」を利用しました。東山温泉駅というバス停まで210円。雪が降っていて、所々徐行運転したので、40分くらいかかりました。バス停から「向瀧」までは徒歩1分。

www.aizubus.com

帰りはタクシーを利用してみたところ、2500円くらいでした。

関連記事

夏に泊まった時の宿泊記

前回は夏に宿泊しました。外の景色も全く違うし、泊まった部屋も異なります。 

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夏と冬の「向瀧」

前回は中庭に面した2階のお部屋で「百合の間」に泊まりました。「百合の間」の方が階段の数が少なく、貸し切り湯に近くて私には好みの感じです。部屋は8畳なので、今回の「雪の間」よりちょっと小さいですが、一人旅には十分な広さです。詳しくはこちらのエントリにまとめました。

www.frostmoonweb.com

鉄道旅と組み合わせて泊まる

「向瀧」の最寄り駅は会津若松駅。こちらには磐越西線、只見線、会津鉄道の3路線が乗り入れています。磐越西線は、郡山と会津若松の間では磐梯山の雄大な景色が眺められ、会津若松から新潟方面では阿賀野川に沿う絶景路線でもあります。一日で磐越西線を駆け抜けるのも良いですが、「向瀧」に泊まってゆっくり鉄道旅を楽しむのも良いかと思います。

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只見線も絶景路線です。今は途中に不通区間がありますが、全線開通に向けて復旧が進んでいます。復旧したらまた乗りに行こうと思います。
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猪苗代・五色沼周辺と組み合わせて泊まる

会津若松近くには磐梯山や五色沼といった景勝地があります。「向瀧」宿泊の前後に猪苗代や五色沼散策を楽しむのも良さそう。猪苗代ではマンホールカードの配布もあります。

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今回の旅の前泊は五色沼近くの「ホテリ アアルト」

 静岡から出かけていくのに1泊で帰ってくるのはもったいないので、磐越西線沿いで2泊するプランででかけました。前泊は五色沼近くの「ホテリ アアルト」です。こちらの宿も素晴らしく素敵な宿でした。一人静かに過ごしたい方にはぴったりだと思います。

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まとめ

最初に泊まった時に、本当に素晴らしい宿だと感じたので、絶対また泊まりに来ようと思っていたのが、半年で実現しました。宿のスタッフの皆さんは私が再訪客だということをよくご存じで、お部屋に案内してくれた番頭さんも、お布団を敷きに来てくれた番頭さんも「またお越し頂きありがとうございます」とあいさつされました。お部屋の係も前回と同じ方を付けて下さり、前回注文した物や苦手な食材も係の方は事前にチェックしてくれていて、そういう部分に老舗旅館らしいプロフェッショナルぶりを感じました。

今回は冬の滞在となり、宿の名物「雪見ろうそく」も堪能できました。 お湯良し、味良し、おもてなし良し加えて、雪見ろうそくも良しで、本当に何拍子もそろった宿なのです。気になるお値段ですが、税込み28,600円でした。一人旅だと5000円追加されるので、割高ですが、このお宿のおもてなしなら料金に見合う満足感が得られると感じています。2人で泊まるのなら1人22,000円前後かと思います。

今回は会津若松のシンボル、鶴ヶ城を訪ねる予定でしたが、あまりの大雪で断念。宿題を残してしまったので、是非また泊まりに行こうと思います。

 

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