鉄道と自転車でプチ冒険に出よう

主に鉄道で行く温泉を楽しみ、旅の記念にマンホールの捕獲を楽しんでいます。宿の宿泊記やマンホールカードを紹介しています。

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トンネル、橋梁、ループに転車台。上越線の水上-越後中里間は見どころ満載。温泉と一緒に楽しもう

鉄道旅を楽しむようになって、転車台とか古いトンネルとかループ路線とか。そういうものに興味をもつようになりました。上越線の水上駅と越後中里駅の間には私好みの構造物が連なっています。先日、磐越西線乗車の旅の帰りにもこのルートを通り、1人興奮しながら乗っていました。首都圏からなら日帰りでも楽しめると思いますが、この周辺には温泉もあるので、静岡から出かける私は温泉も楽しみます。

美しき清水トンネルの坑口

谷川岳の下を貫く清水トンネルは1922年に着工した全長9,702mのトンネル。開通は1931年で開通当時としては日本最長のトンネルでした。昔つくられたトンネルの坑口は石積みものも多く、とても美しいので清水トンネルの坑口も拝みたいものだと思っていました。坑口を拝むには、列車に乗って前方かぶりつき位置から眺めるのが一番ですが、前方かぶりつき位置は人気が高く、今まで2回チャレンジしましたが、すでに先客がいて坑口を拝むことはできませんでした。3度目の正直でやっと前方かぶりつき位置を確保し、清水トンネルの坑口に対面することができました。

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清水トンネル坑口(土樽駅側)

坑口の横には「清水」と書かれています。

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清水トンネルの坑口(土樽側)

トンネルですからもちろん水上側(東京側)にも坑口があるのですが、水上側の坑口は土合駅から徒歩5分くらいの場所にある踏切から拝むことができます。下の写真、奥の方にトンネルの坑口が見えています。

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土合踏切。奥には清水トンネルの坑口

最近のトンネルはコンクリートで固められてしまっていますが、古いトンネルは鉄道トンネルでも道路のトンネルでも、この清水トンネルのように石を積まれていて芸術的です。 そういう古いトンネルを見るのが私の鉄道旅の楽しみでもあります。

毛渡沢橋梁

湯沢駅から上り列車の前方かぶり位置で前方の景色を運転士目線で楽しんでいると、土樽駅の手前で橋梁を渡ります。下の写真がその橋梁を通過しているところです。右側が下り線。下り線の柱はコンクリート造りですが、私が乗っている上り線の橋脚はちょっと見づらいですが石積みの橋脚です。80年くらいの歴史があるようです。

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毛渡沢橋梁

私のようにこの橋梁に関心を持つ方はたくさんいて、毛渡沢橋梁で検索すると、ブログや写真がたくさんヒットします。土樽駅から徒歩10分くらいのようなので、次回は下から眺めてみたいです。

snow-country.jp

トンネルの中の駅

土合駅

上越線の水上-土樽間の名物といえば、日本一のモグラ駅で有名な土合駅でしょう。

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日本一のモグラ駅

上越線の下り線、新清水トンネルの中にあり、今や(2020年9月現在)、日本で一番標高の低い場所にある駅です。初めてこの駅の存在を知ったのは、まだ小学生の頃。両親に連れられて越後湯沢に出かけた時のことで、トンネルの中に駅があることにとても驚いたことをほぼ50年たった今でも覚えています。

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土合駅下り線ホーム

そんな地下深い場所に駅があるので、地上に出るには階段を上らなくてはなりません。その数486段。一気に上る自信はまったくありません。でも上らなくては外の空気が吸えません。

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改札まで階段486段

根性なしの私は、上り線で土合駅に到着し、階段を下りて下り線のホームに行きました。そして下り列車に乗って越後湯沢方面に向かい、越後湯沢駅から再び上り列車にのって水上に向かうという、めんどくさいことをして体力のなさを補ったのでした。ちなみに上り線の土合駅のホームは地上にあるんです。

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上り線の土合駅のホーム

湯檜曽駅

トンネルの中の駅と言うと、土合駅があまりにも有名なので目立ちませんが、下り線の湯檜曽駅も新清水トンネルの中にあります。下の右側の写真の通り、奥にトンネルの入り口が見えています。新清水トンネルに入ってすぐに駅があるというわけです。

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湯檜曽駅下り線ホームもトンネルの中

 こちらは地中奥深い場所にはないので、長い階段もなく、地上の改札からはゆるやかなスロープでアクセスできます。

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地上改札から湯檜曽トンネル内ホームへの通路

でもね、湯檜曽駅はトンネルの中に駅があることよりも、この近くにあるループが有名なんです。

湯檜曽ループ

ループは鉄道も道路も高低差を稼ぐための構造です。越後湯沢側からのぼり列車に乗り、土合駅を過ぎて湯檜曽駅に向かう途中にループ線があり、眼下に湯檜曽駅を見ることができます。車窓から見ると湯檜曽駅のホームはかなり下に見えますが、ぐるっと一周する間にこの高低差を詰められるのはちょっと驚きでもあります。写真はブレブレでどこが線路かわかりづらいですが、写真中央に線のように伸びているのが湯檜曽駅への線路。

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眼下に線路

この光景をしっかり見るには、上り列車の進行方向右側の窓を確保する必要があります。土日は車内もそこそこ人が乗っていて、右側の窓側席が確保できないこともあります。3回目にしてやっと見ることができました。ただ、この瞬間はトンネルを抜けた後、次のトンネルに入るまでの数秒間しかありません。真夏に乗ると、トンネルで車両が冷やされたのち、外に出るので、あっという間に窓ガラスが曇ります。窓側席でも窓が曇ってしまったら何も見えないです。

列車内からループを確認する以外には、湯檜曽駅上り線ホームからも確認ができます。時刻表を見て列車到着前からホームで待っていると、ガタンガタンと列車の音が響いてきて、山腹に上り列車が見えます。

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ループ通過中の列車が山腹に見える

その列車がループをぐるっと回って、目の前のホームに到着してくるわけです。結構感動しました。

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ループを回った列車が湯檜曽駅に到着

それにしても、このループ線はほとんどがトンネルの中なんですよ。水上と越後湯沢間が営業を開始したのは昭和6年。その時代にループ状のトンネルを掘る技術があったのですから、日本の土木技術というのは本当に素晴らしいなと思います。

水上駅の転車台

転車台は谷川岳という難所を通過するための鉄道技術ではありませんが、最近めっきり少なくなった現役の転車台は拝まずにはいられません。幸いにして駅から3分も歩けば転車台を見学できます。

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水上駅の転車台

どうせ見るのなら動いている所をみたいもの。そういう場合にはSLぐんまみなかみ号が走る日に見学に行きましょう。本物のSLを載せてくるりと回ります。転車台周辺にもたくさんの人が詰めかけていて、人気の高さがわかります。

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転車台で回るSL

転車台は車両の向きを180度回転させるための設備なので、半周回せばよいのですが、サービスでいつも1回転半回ってくれるようです。私が見た時にも1回転半してくれて、SLに乗っている運転士さんたちが、詰めかけた観客に手も振ってくれました。向きを変えたSLは隣のピットに向かい、整備を受けます。SLは動き出すときに毎回「ポッ」と汽笛を鳴らしますが、水上駅は山間にあるので、汽笛がこだましてとても良い音がするので、是非聞いてみて下さい。

転車台やピットがある場所までは、駅の出口を出たら右手に進みます。歩道上にSLのマークがついているので、このマークに沿って歩けば迷うことはありません。 

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SLのマークに沿って歩道を進めば転車台

注意点としては、SLぐんまみなかみ号が水上駅に到着するのは12時3分。その後客車からSLを切り離して転車台まで走ってくるのですが、意外に早く登場します。12時6分には下の写真の通り、転車台付近をSLが通過していきました。この後転車台に乗るまでにはちょっと時間はありますが、転車台周辺の柵にはびっしり人が詰めかけていますので、良い場所で撮影したい場合は、SLに乗って水上駅に着いた場合は、早めに転車台に移動した方が良いです。

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客車から切り離され転車台に向かうSL

転車台がある広場にはD51型蒸気機関車が保存されています。SLぐんまみなかみ号が走らない日でも、SLを見ることはできるんです。 

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広場に保存されているSL

温泉宿に泊まって楽しむ

静岡からこの区間を楽しみに行くには、日帰りも可能ですが、私は泊りで楽しみます。というのもこの周辺には温泉がありまして、日帰りするにはもったいないわけです。

湯檜曽温泉「林屋旅館」

www.yubiso-hayashiya.jp

この界隈には、いくつか温泉場があるのですが、その中でもお気に入りは湯檜曽温泉の林屋旅館。部屋数が11室と少なく、一人でも宿泊できるプランがあります。食事は夕食・朝食ともに部屋食なのも嬉しいです。温泉は豊富な湯量の温泉がザバザバかけ流されていて、とても気持ちの良い温泉です。

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湯檜曽温泉の林屋旅館

 湯檜曽駅から徒歩5分です。

近くに湯檜曽ループがあるので、泊まった翌朝、朝の一番列車がループを降りてくる電車を見に行くのも朝飯前。

林屋旅館、小さいけれど温泉旅館としての質は高く、周辺環境は静かなので、私のような一人旅にはおススメの宿です。 

実は2020年10月に宿泊を予定していました。谷川岳ロープウェイに乗りに行く予定だったのですが、なんと大雨で国道が陥没。10月31日まで運休とのことなので、2020年は残念ながら見送りました。   

水上温泉郷 谷川温泉「旅館たにがわ」

谷川温泉は水上駅から車で10分ほどの場所にあります。水上駅よりちょっと標高が高い場所にあります。何軒か温泉宿がありまして、一人旅プランが出ていた「旅館たにがわ」に宿泊しました。部屋からも貸切の露天風呂からも谷川岳を眺められるのが自慢です。

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貸切露天風呂から谷川岳

部屋食ではありませんが、一組ごとに仕切りのある個室風の食事処で夕食・朝食ともにいただけます。コロナ禍では他のお客さんとの距離が保たれているのは安心できます。水上駅からの送迎サービスがあります。

まとめ

水上-越後湯沢間は日本の歴史に残るトンネルあり、石積みの橋脚あり、ループ線もあれば転車台も現役で活躍中ということで、鉄道ファンには見どころ満載です。ただこの区間は1日に5往復しか走っていないので、どういう順番で見て歩くかは事前に時刻表で確認しておくのが良いでしょう。 水上温泉郷には旅館もホテルもペンションも点在しているので、温泉につかりながら楽しむのも良いと思います。SLが走る日に訪れるのなら、SLに乗車するのも楽しいです。

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